伊藤忠商事がインドネシアで建設中の石炭火力発電所について、運転開始後に売却する方針を固めたことが分かりました。世界的な脱炭素の流れにのまれ、各商社が石炭ビジネスから続々と撤退していますが、伊藤忠商事は更に業界初の石炭火力ゼロを目指すとの事です。
石炭火力発電所の完工前に、事業者が売却方針を固めることは極めて異例な事です。何故なら、電力ビジネスは、25年や30年といった長期売電契約が基本で利益の取りこぼしがない安定事業だからです。
世界的な脱炭素の流れが加速し、撤退圧力が強まっており三井物産も、インドネシアやマレーシアなどで稼働する石炭火力発電所の売却先を模索していますが、交渉成立には至っていない様です。
一方、他の商社では新規の石炭火力プロジェクトを着々と進めているところもあり、商社の脱炭素方針は「グリーン・ウォッシュ」(見せ掛けの環境保護)との批判も上がっている様です。
今後の火力発電は如何なる道を辿るべきか?難しい選択を迫られています。